2012年7月16日月曜日

原発と自然エネルギーの一番大きな違い


原発も火力発電も原理はいっしょ。どちらもお湯をわかし、その蒸気の力でタービンを回し、電気を起こす。風力発電はタービンの代わりにモーターを回す。タービンはモーターは仕組みの大元は同じ。電気を流すと回るモーターを逆に回しているだけ。電気がエネルギーになるのの反対で、エネルギーが電気になる仕組み。
回すことでエネルギーが生まれるのは共通だが、違うのはそのエネルギーの大きさ。原発の中心では1800℃の温度のものを冷やしながら、蒸気をつくる。火力はおよそ550℃。ものすごい大きなエネルギーを扱う方が、その入れ物も同じ温度になるので、コントロールがしにくくなる。なんせ鉄が1200℃くらいで溶けるのである。だから、原子力ではできるだけ冷やしながら扱うということになる。でも、すべてのエネルギーを使える訳もなく、大きなエネルギーを捨てることになる。また、送電網で送られている間に65% 程度がロスする。
一方、自然エネルギーは太陽熱温水器だって 100℃以下である。太陽エネルギーだから、それ自体を浴びていても問題ない大きさだ。だから、いままではそれを取り出すことは難しいと考えられていた。でも、その微妙なエネルギーを私たちの生活に使えないかというのが最初の考え方だ。
エネルギーは何も電気に限った問題ではない。熱エネルギーのことを忘れてはならない。住宅で使われるエネルギーの1/3が熱エネルギーだ。一番簡単な熱エネルギーは太陽熱そのものだ。冬の晴れた日にそれを家に取り込めば暖房が要らなくなればいい。曇りの日や夜は使えない。そのときは他の暖房が必要だ。でも、曇りの日が使えないからといって、冬の晴れた日を諦めるのは間違っている。東京などの中緯度に位置する都市では、日射エネルギーでかなりの部分行ける。実感がないのは、そういう高性能な家を見たことがないからだ。百聞は一見にしかずというが、見ないものを人はなかなか信じられない。
だから、同じエネルギーといっても、その温度差のちがいが大きくある。だから、発電効率ばかり考えてもあまり意味がない。送電ロスの問題、使われ方の問題、様々な条件にどう対応できるかの問題。まったく違うのである。エネルギー問題はライフスタイルだけではなく、建物の性能によって大きく異なる。でも、建物を高性能化すれば大きな節約効果が発揮でき、電気を新たに産み出すよりも簡単に供給量を抑えることができ、最近ではこの節約効果をネガワット発電ともいう。
使うエネルギーをおさえつつ、少ないエネルギーをつくりながら、人が満足できるような生活をする。それは現代の智慧のあり方なのだと思う。

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