2012年8月12日日曜日

日本の生産性




同じ「ロックの会」の田中優さんのパワーポイントでの話しのなかで、先の記事よりももっと大事なことを書くのを忘れていた。田中優さんの話しに出てきた飯田さんの選挙活動との関係での話し。

上記のデータの違いがおもしろい。
似ている日本とドイツだが、大きく違うのは貿易における個人の輸出高のちがい。ドイツは高付加価値のものを作り、輸出する。実に3倍ちかい差があるのである。これは再生可能エネルギーで内需を拡大し、国自体が豊かになっているからと。

たしかに日本の化石燃料の負担は年々増すばかり。全体で25兆円。GDPのなんと4%にもあたる。こんな高いエネルギーを買って、資本流出をさせている。再生可能エネルギーは10年ちかくでもとが取れる。そうなると、11年目からはエネルギーがただに近くなり地域の中で経済が回りだす。その分は、化石燃料を買わなくてすむようになる。そればかりか、ドイツでは再生可能エネルギーで40万人の雇用が創出されているいう。これに関しては経済的にも、雇用的にもよいことが多い。

日本の労働環境は無駄が多い。または、変にスポイルさせて、国際的な競争力が損なわれている。たとえば、テレビ。地デジ化やエコポイントで一時的な需要を喚起したが、現在サムソンに負けている。自動車のエコポイントも同じである。

そういえば、トヨタは優秀な車をつくっているかもしれないが、目黒区、世田谷区ではメルセデスやBMWあるいはAUDIがそれこそ大人気だ。やはり日本のもの作りが、高付加価値にできていないということではなかろうか。このままだと、テレビのようにクルマも没落してしまう可能性も否定できない。

再生可能エネルギーは、原発の代替ということではなく、内需拡大の喚起という経済的な可能性もある。なによりエネルギーの特性として、地方に有利である。同じように、住宅などの性能の向上も大事なテーマだ。日本の住宅は決して豊かなライフスタイルにあっていない、ただのバラックである。そこにも大きな可能性が残されていると思う。

ロックの会での備忘録。


どんな感じだったのかはこちらのtogetterをご覧下さい。

ここでは2点ほど、ぼくの興味のあったことをまとめておきます。

登壇者は田中優さんと経産省資源エネルギー庁新エネルギー対策課長の村上敬亮さん。

田中優さんの話し

【ストランデッドコスト】
原発は簿価上は動かしていると資産。廃炉にしようとして止めると負債。そうやって、負債で計上されてしまうと経営状況がとたんに悪くなって会社が倒産してしまう。そこで、その分を国家予算などで補う時に発生するコストをストランデッドコストという。

いま、まさに関電が大飯原発を動かす際に、安全よりも何よりも会社のことを考えると止められないので動かす。という状況にいます。
ぼくは当初、関電なんてつぶしちゃえばいいのではないかと思いましたが、そんなことしなくても、その廃炉にする分、払ってやれば、原発止めてくれるんだ。というのであれば、危ないものうごかしつづけるより、よほどよいのではないかと思い至りました。

そのためには、経営陣の刷新とか、いろいろな手続きは必要でしょうけど、今みたいなことにはならないのではないかと思います。

たいへん、勉強になりました。

村上敬亮さんの話し

これからのエネルギーは節電、再生可能エネルギー、既存のエネルギーとの組み合わせでやっていかないと、安全保障上もよくないという話し。
資源エネ庁でも、原子力だけではないんですね。

そもそも、太陽光発電のコストがどんどん下がっていて、飯田のお日様ファンドのような儲からないかもしれないけど、やっていける電力会社がどんどんできないダメなんだよね。と。(全くそうです。)

そういうなかで、一番これから有望なのが風力で(コストが安い)、そのポテンシャルを一番持っているのが、北東北と北海道の日本海側。だけれど、北本連絡線の容量が60万kwと小さくこれがネックになって、開発が進まないとのこと。

早く発送電分離をして、送電網を活かしながら電気の安定供給をしなくてはいけないなあと思いました。なんだ、こういうことがあるんだ。ということを知っただけでも収穫がありました。

地域の話しと大きなマクロの話、両方聞けておもしろかったです。