2010年2月13日土曜日

用語解説1 新住協

まず、最初に新住協の話をしよう。新住協は新木造住宅技術研究協議会の略である。
ホームページはこちら。http://www.shinjukyo.gr.jp/
全国の工務店が組織しているNPOである。技術指導者は室蘭工業大学の鎌田紀彦先生である。北海道では元来、木造住宅が適していないと言われていた。断熱材をいくら多くしても、木材の部分で結露してしまい、木が腐るということが多くあったからだ。断熱を多くしても、外壁に接している部分は十分に冷たい。そこに、温暖な空気が入り込むために結露してしまうのである。ちょうど、冷たい水のコップが汗をかくのと同じ原理である。
そこで、そこに蒸気が行かないように、ビニルのシートで遮断しようというのが気密住宅である。気密住宅というのは、そこにビニルシートを使うのである。これに関しては、なんといってもネーミングが悪かった。すごく息が詰まりそうな印象を受けるからである。防湿シートとでもいっておけば、印象は大きくちがう。気密シートなんか使ったら、木が呼吸できないというのも嘘である。シートは室内側に一枚。外側は通気層をとって、壁のなかの空気を流すようにする。結果、木の部分には、夏も冬も空気が流れる。
要は、室内の温かい空気に含まれた水蒸気が、壁の中で悪さするのを防ぐのである。知人の家では、冬は室内の空気が感想してしょうがなかったのが、気密シートを貼ってから、ちっとも乾燥しなく、お肌すべすべであるそうである。
だいたい、息がつまるという人は窓をあけることをお勧めする。それは、完全に迷信であると伝えたい。
そういうことを鎌田先生は北海道の地元の工務店と一緒に開発してきた。私が気に入ったのは、これが十分に科学的であるからだ。また、机上の空論に終わらず、工務店との実践で出てきているから。
 実際の計算はQPEXという計算ソフトがある。これで熱貫流率を計算する。Windowsで使えるエクセルのマクロである。また、気密シートを貼る場合、あとから貼るとどうしても気密が取りづらい。したがって、建て方の時に、気密シートを予め、仕込む必要がある。これを先張り工法という。

2010年2月4日木曜日

制度の不整合

エコハウスを進めていく上で、実施設計段階から変更を迫られたのは内装制限などに対する考え方である。

いくつかあって、
ペレットボイラはボイラなので危ない。したがって、そこを火気使用室として扱わなければならない。これで変な場所に垂れ壁ができてしまった。また、キッチンのコンロもそうである。台所を不燃の区画にしなければならないため、木の仕上げのある部屋との間に、ガラスの垂れ壁が。実質的にそれが効果的なら、やむを得ないがほとんど意味がない。そのなかで解釈に幅があるものがある。先程のボイラはだめで、ストーブならよいのである。実は、このエコハウスに、薪文化の象徴ということで、薪ストーブもはいっていた。薪ストーブに至っては、移動できればストーブで、移動できないものはあぶない火気であるとのこと。わたしにいわせれば、いちいち移動している方がよほど危ない。木をつかうことと安全の問題はうらはらで、十分に安全対策しなければいけないことはもちろんだが、制度が一人歩きしている。

もうひとつは、水道に関して。
工事がはじまって大きな障害が。
今回、雨水を中水としてトイレに利用としたが、それはかなわなかった。上水と直結させてはいけないとのこと。受水槽が必要だそうだ。住宅に受水槽はどう見ても過剰設備である。したがって、トイレの中水利用はあきらめ、雨水は庭の水撒き程度になってしまった。水道局の担当者の問題ではない。これから先の水に対しての考え方を大元から見直す必要がある。